人生にムダはない

ケチャマヨが加入している生協の冊子に、
とっても共感できる記事があったので転載させていただきます。
この3月末から4月にかけて、何か新しいことを始めたいと思っている人に、
少しでも勇気になればいいなと思います。

連載:暮らしの味わい 文/田口ランディさん

「人生にムダはない」

わが家の娘は18年しか生きていないので、記憶が少ない。当然だがわたしには記憶がたくさんある。ひとつの出来事が、10年後に別の出来事とつながっていく、そういうことを多く経験している。だから「縁」にも、若いころとは違う強い確信を持っている。

いま、うちの娘は大学を中退して「やりたいことがわからない」と、なにもしていない。最近は「ベースを弾きたい」と言い出し、楽器屋でベースを探したりしている。だからってミュージシャンになりたいわけでもなさそうだ。わたしも若いころなら「そんなことをしていないで、もっと将来のことをちゃんと考えなさい」と小言を言っていただろう。

私は、いまは執筆で生計を立てているけれど、若いころはずっとフリーターだった。起業したのは26歳で、友人と広告制作会社を作って10年ほど編集の仕事をしていた。そのころに「パソコン通信」が始まり、後にインターネットへと移行していく。新しい形のネットワークの登場に、20代の私は夢中になり、仕事そっちのけでパソコン通信とインターネットの世界にはまりこんでいく。

今の若者どころではない。ネット漬けの状態だった。当時はまだネットでお金が稼げるような時代ではなく、こんなムダなことに時間と労力をかけて、いったい何になるのだろうか、と、自分でも疑問に思ったが、楽しいのだからしょうがない。ひたすらネットで友達を見つけては、集まって飲み、自分が体験したことをネット上に書き込んでみんなに読んでもらった。

そんなことを10年も続けているうちに本格的なインターネット時代が到来。私が書いた文章をたくさんの人が読むようになり、メールマガジンは購読者数が10万人を超え、ついに出版社からオファー(誘い)が。初の小説はベストセラーに。すでにネット上に10万人の読者がいたのだから、自分でマーケティングをしてデビューしたようなもの。

一見、ムダに見えたことが結果的には作家になる早道だった、というわけ。人生は10年のスパンで見なければ、何が自分にとって意味があるかわからない。

楽しくてわくわくすることを続けていれば、かならず役に立つ。私はこの人生を振り返ってそう確信している。アップル社のスティーブ・ジョブズも全く同じことを言っていた。しなければいけないことでなく、したいことをする。それが唯一、豊かな人生への道なのだ、と。

執筆を始めると何時間でも集中できる。私は絵を描くことも大好きだが、絵は2、3時間しか集中できない。好きで持続できることが仕事になる。それが何かは、やってみなければわからない。

だから、娘にも好きにさせている。楽しくて持続できること。やりたくてたまらないこと。それを見つけてやればいい。あきたら「これは持続できない」という証明。次を探せばいい。

人生には失敗もムダもない。成功へのステップがあるだけだ。

 

ケチャマヨも、演奏活動を初めてもう少しで10年になります。
(演奏技術はそんなに向上していないのですが…)

それだけ続けてきてやっと分かることがあります。
詩や絵を描くことよりも、曲を作ることよりも、
何よりコンサートで歌うことが一番好きです。
自分たちが作ったもので、目の前の人が喜んだり驚いたりするのが好きです。

楽しく歌う♪ふうふ「ケチャップマヨネーズ?」

そしてよくよく見てみれば、自分の身について活かせているものは、
自分から進んで見つけて、楽しんで、続けてきたものが多いです。

絵を描いたり、ギターを弾いたり、面白いことを考えたり、
その時はムダだと思ったり思われたりしたかもしれないけれど、
楽しいからという理由だけでやってきてよかったです。

***

これから新学期を迎えるにあたって
ケチャマヨから伝えたいメッセージは、

「楽しいと思うことを、自分の一番にしてね。」

ということです。
仕事や勉強など、いっけん大事そうに思えることが多いですが、
そんなことで、自分が心から楽しめることを、消してはいけないです。

誰のものでもない、自分の人生。
楽しいことを人生の真ん中に持ってきましょう!

 

人生にシオ・コショウ

 

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