「嫌われる勇気」を読んで(レビュー・要約・感想文)
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今回はナオヒロが「読書感想文」を書かせていただきます。
「嫌われる勇気」 岸見 一郎・古賀 史健 著
みんなの人気者になりたい僕としては、まずタイトルが気になりました。
でも読み進めていくと決して「進んで嫌われよう」ということではなく、
「誰かに嫌われるのではないか?」という恐れを取り払い、
自由に幸福に生きるための方法が書いてありました。
哲学、心理学、もしくは自己啓発という、ちょっと近寄りがたい分野でしたが、
「そうそう!」と共感できる事も多く、対話形式で非常に読みやすいので、
5時間ほどで一気に読めました。読後は「サングラスを外した気分」でした!
ケチャマヨとして、会社のレールを外れている僕としては
すでに実践できている事もたくさんありましたが、
自分も周りの人も、ちょっと生きづらく感じている事にも、
明らかで、分かりやすい、前向きな考え方だと思いました。
(実践できるかどうかはその人次第ですが…。)
一言で要約するならば、これは
好きなことを自由に楽しく行って、
仲間と幸せに生きるための考え方。の本だと思いました。
内容を僕なりに解釈して解説してみたいと思います!
これから読むつもりの人は「ネタバレ注意」です。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
<序章>
『人は変われるし、自由で幸福になることができる。』
世界も人生も全くシンプルであると説く「哲人」と、
世界も人生も矛盾に満ちた混沌だという「青年」の対話が始まる。
「世界」が複雑なのではなく、「あなた」が複雑に捉えているだけだと。
<第一夜:トラウマを否定せよ>
『変わりたいのなら今、幸せになる勇気を持とう!』
過去の「原因」ではなく、今の「目的」を考えるほうが生きやすくなる。
何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかが大事。
あなたの不幸はあなた自身が「選んだ」もの。過去は存在しない!
<第二夜:すべての悩みは人間関係>
『お前の顔を気にしているのはお前だけ』
劣等感は、客観的な事実ではなく主観的な思い込みです。
その劣等感をこじらせて、「…だからダメなんだ」と思い込んだり、
ブランドや権力、不幸まで「自慢」するようになることが問題です。
人生は競争じゃない、勝負じゃない、上下関係などないんだ。
みんなが同じではないけれど、みんなが対等なのです。
【人生の2つの目標】
- 行動面:自立すること ← 心理面:私には能力があるという意識
- 行動面:社会と調和して暮らす ← 心理面:人々は私の仲間であるという意識
【人生の3つの課題】
「仕事」「交友」「愛」は人生において直面せざるを得ない人間関係。
先延ばしせず、真剣に取り組むことで人生の目標を達成できる。
<第三夜:他者の課題を切り捨てる>
『「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない』
「自分の信じる最善の道」を選び、進み続けることが自分の課題です。
それを他者がどう見るかはどうしようもできない、他者の課題なのです。
それなのに、他者のその課題をどうにかしようとするから不自由を感じるのです。
承認を求めるということも、他人の人生を生きているのと同じで不自由です。
<第四夜:世界の中心はどこにあるか>
『あなたは世界の中心ではない、共同体の一部である。』
他者を「敵」と見なすか、それとも「仲間」と見なすかで世界は変わります。
仲間の中に「自分の居場所がある」と感じられることが幸せなのだろう。
「この人は私に何を与えてくれるか?」という自己中心的な考えでは無く、
「私はこの人に何を与えられるか?」という他者貢献を考える必要があります。
他者の課題を分離し、上下ではなく横の関係でつながり、人を「評価」しない。
ただ感謝されることで「自分には価値がある」と思えることができ、
大小さまざまな共同体に自分の居場所を作ることができる。
<第五夜:「いま、ここ」を真剣に生きる>
『人はいま、この瞬間から幸せになることができる』
ありのままの自分が、信頼する仲間の役に立っていると「感じる」こと。
幸福とはその「貢献感」なのです!見返りなど不要なのです。
特別でなくてもいい。必要なのは普通であることの勇気です。
人生にはゴールなんかない。「物語」ではなく「旅」と捉えて道中を楽しみ、
途上も意義あるものとして「いま、ここ」を真剣に丁寧に生きることが幸せ。
『人生とは点の連続であり、連続する刹那である。』
『人生における最大の嘘は「いま、ここ」を生きないこと』
『無意味な人生に「意味」を与えよ』
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・・・どうですか?
やっぱり僕の説明では本質が伝わらないと思います。
悩める「青年」と、それに答える「哲人」の会話を読み進めることで
自分やその人間関係に置き換えて読むことができ、すっと心に入ってきます。
この本のベースとなっているのはギリシア哲学、そして
アルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」です。
海外ではフロイトやユングと並び有名な心理学者だそうです。
過去のトラウマが「原因」で今が不幸なのだとするフロイトの「原因論」に対して、
アドラーは、今の状況を引き起こす「目的」を考える「目的論」を提唱しています。
例えばひきこもりの例で、
「過去のトラウマがあるから怖くて外に出られない」のではなく
「外で傷つきたくないから不安な気持ちを出している」という解釈です。
一見、「目的論」のほうが手厳しい分析だと思いますが…違います。
「原因論」では、トラウマがあるとひきこもるという「決定論」になりがちで、
それは物語としては分かりやすいし、そこにのめり込みそうになります。
一方、「目的論」ではどんな過去があろうとも今の判断は自分次第、
だからこそこれからの人生も変えられるという、希望のある考えなのです。
「人生は連続する刹那」とはこのことです。自分の今を生きなければ!
ちょっと生きるのが窮屈に感じたり、
周りに生きるのがつらそうな人がいたら
この本を読んでみてはいかがでしょうか?
自分の人生を、もう少し自分に引き寄せられたなら。
自分の今を、過去にも未来にもとらわれず考えられたなら。
この本は、自由で幸せに生きるためのきっかけになると思います。
・ ・ ・ ・ ・
あと、ケチャマヨの作品たちもけっこう「哲学」してますので
合わせてご覧いただけると嬉しいです(*^_^*)
はなうたえほん http://hanautaehon.com/gallery/
・ ・ ・ ・ ・
「わたし」が変われば「世界」が変わる。
世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、
ただ「わたし」によってしか変わりえない。
これはケチャマヨも常に考えてきたことです。
世界中の人達がひとりひとり、
好きなことを得意なことに変えながら、
生き生きと生きる、世界を見る目を変えていく。
世界中の70億の「わたし」が変われば、
そのときは客観的な世界も変わっているはずです。
そんな素敵な世界を見てみたい。
まずはケチャマヨの周りの世界から、
変えていきたいと本気で思い、活動しています。
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