てのはじまり。メンバーとの出会い。 2001.5.27 ナオヒロ作文

この日記は、ホームページ開設の2003年から
さかのぼって書いているのですが、
この2001年の5月27日という日曜日は
僕にとって忘れられないものであるだけでなく、
いつも昨日のことのように思える日でもあります。

あの日・・・
友人に誘われていたフリーマーケットも
前日からの雨で中止かもしれなくなっていた。
それでも僕はのそのそと起き、電車に乗っていた。
その頃僕は漠然と何かを探していたのだ。
それが物なのか、場所なのか、人なのかわからないままに。

案の定、フリーマーケットには店も人も少なく
周りをビルに囲まれ、地面も空も灰色だった。
そんな中、鮮やかな黄色の本が僕の目に飛び込んできた。

しのえほん「人生にシオ・コショウ」

しとえ 三浦沙夜香

そう書いてある。

・・・
その少し前から僕はギターを始めていた。
さらに同時にピアノも弾き始めていた。
好きなアーティストの曲が弾けるようになり
楽しくて、かつてないほど熱中した。
でも同時にもの足りなさも感じていた。
表現する技術は身についていくのに
表現する中身はずっと借り物でいいのか?
そう思えたら自然に「作詞・作曲」をしたいと思った。

運良く、僕は作曲が出来た。
ほんとは誰でも出来ることだと思うけど、
やる時間を持てたことがラッキーだった。
ただ、作曲はともかく作詞というのは
一朝一夕で出来るものではなく、今までの経験、
そして日ごろ思っていることの積み重ねだと思う。
その頃の僕にはその両方ともが
あきれるほど不足していた。
ただ空っぽだと言うことを表現するよりなかった。
人の言葉を借りてはただ、むなしかった。
・・・

しかし作りたいという気持ちだけはなくならず、
そんなときに今日、この黄色い本に出会った。

衝撃だった。

とてもシンプルでわかりやすい詩。
太い線ではっきりと書かれた絵。
作者の日々の強い思い。
ごまかしがなかった。
そしてなにより僕の中に音楽が流れてしまった!

その中の『日曜日。』という詩が自分にぴったりで
家に帰ってすぐ曲をつけるのだが…
その話はまた別の機会に。


今思えばあの日、
僕が探していた物、場所、人が、
全てそこにあったのかもしれない。

2001.5.27